日本の竹林の多くが、「荒廃竹林」「竹公害」と言われています。
原因は、竹産業の拠点が人件費の安い海外へ移転したこと。
それに伴い国内需要が激減し、竹林に対する手入れも行われなくなったためです。
その結果、竹の密集を生み、竹の根を浅くし、竹林の大規模な表層滑りなどの災害が引き起こされています。
竹は繁茂・拡大により「竹公害」と邪魔者扱いされていますが、木材は乱伐採により枯渇化し、伐採禁止や輸出制限により年々その調達難易度はあがっています。一方、竹は地上植物の中でも成長力の早い循環性資源であり、竹の有効利活用は森林資源の乱伐採に歯止めをかけ、地球環境に負荷をかけない「持続可能な再生資源の有効活用法」となります。また竹は、その驚異的な成長力をまかなう為にあらゆる部位に独特な有効成分や機能性を内包し、多くの理学的特性を持つ有効な資源でもあります。
竹は3年で成長が完了する再生サイクルの早い循環性資源です。筍が竹として生長(筍サイズから~約20mの高さ)する期間は約2ヶ月。この期間に竹は大量にCO2を吸収します。竹を適宜に間引き伐採し、竹林の再生サイクルを整える事により地下茎に栄養が蓄積され、筍として芽吹き竹となって生長します。生長した竹は木質資源の代替として活用することにより、木材の伐採抑制にも繋がります。